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軍用地を相続したときの税金はいくら?一般不動産とは全く違う「評価額」の仕組み

  • 執筆者の写真: 丸伊不動産 合同会社
    丸伊不動産 合同会社
  • 6月24日
  • 読了時間: 5分

親御様から沖縄ならではの財産である「軍用地(米軍基地や自衛隊施設などの提供用地)」を相続することになった40代〜60代の皆様。

「毎年入ってくる地料(借地料)はありがたいけれど、相続税はいくらかかるんだろう?」

「軍用地は高く売れると聞くから、売却したときの譲渡所得税が心配さぁ……」

このように、一般の不動産とはあまりにも性質が異なる「軍用地」の税金について、疑問や不安を抱えている方は非常に多くいらっしゃいます。

実は、軍用地は売買市場では「年間地料の50倍〜60倍以上(倍率)」という高値で取引されますが、相続税を計算するときの「評価額」は驚くほど低く抑えられるという、非常に特殊な仕組みを持っています。だからこそ、正しい知識を持っていないと、遺産分割や売却のタイミングで損をしてしまうことがあります。

今回は、軍用地の相続税・譲渡所得税の計算方法や、日々の地料にかかる税金の基礎知識について、沖縄の不動産のプロが分かりやすく解説します。

1. 相続税の計算で大有利!軍用地の「評価額」が低いカラクリ

通常、マンションや一戸建てを相続する場合、時価(市場で売れる価格)の7〜8割程度が相続税の評価額になります。しかし、軍用地の相続税評価額は、時価の2割〜3割程度にまで下がるケースがほとんどです。

なぜこれほど安くなるのか、それには国税庁が定める特殊な計算方法が関係しています。

💡 軍用地の相続税評価額の計算式

軍用地の評価額は、一般的な路線価(または倍率方式)で計算した土地の価格から、「借地権割合(40%)」を差し引いて計算します。

【計算式】

自用地としての評価額 × (1 - 0.4)= 軍用地の相続税評価額

国へ土地を強制的に貸し出している状態(利用が制限されている状態)であるため、一律で「40%引き」の評価をしてよいというルールがあるのです。

さらに、実際の売買市場(時価)では「地料 × 50〜60倍」という高い倍率で取引されるため、「相続税の対象となる評価額は低いのに、実際に売却して現金化できる価値(時価)は非常に高い」という、相続人にとって極めて有利な資産となっています。

2. 売却するなら知っておくべき「譲渡所得税」の注意点

「きょうだい3人で公平に分けるために、軍用地を売却して現金にしたい(換価分割)」と考える方も多いでしょう。その際にかかるのが「譲渡所得税(売却益にかかる税金)」です。

軍用地を売却したときの税金は、その軍用地を親御様が「何年間所有していたか」によって税率が大きく変わります。

  • 長期譲渡所得(所有期間が5年超): 税率 約20%

  • 短期譲渡所得(所有期間が5年以下): 税率 約39%

相続の場合、親御様がその軍用地を購入(または引き継いだ)してからの所有期間がそのまま引き継がれます。多くの場合は5年を超えている(長期譲渡所得になる)ため、税率は約20%に抑えられるケースが大半です。

⚠️ 注意:大昔の土地は「当時の領収書」がないと税金が跳ね上がる

沖縄の軍用地は、祖父母やそれ以前の世代が戦後や本土復帰前に取得し、そのまま代々引き継がれてきた古い土地が多くあります。

売却時の税金を計算する際、「大昔にいくらでこの土地を買ったか」という証明書(売買契約書など)がない場合、売却価格の5%しか経費(取得費)として認められないという法律のルール(概算取得費)があります。

現在の高い倍率で売却できたとしても、経費がほとんど認められないため、売却額のほぼ全体に約20%の税金がかかってしまうという落とし穴があります。売却を検討する際は、事前に手元の書類をプロに確認してもらうことが大切です。

3. 毎年入る「地料(借地料)」にかかる税金(所得税・住民税)

軍用地を売却せず、そのまま保有し続ける場合は、毎年8月頃に国から振り込まれる「年間地料」に対して所得税と住民税(不動産所得)がかかります。

「地料が入るから、毎年確定申告をしないといけないさぁ」と思われがちですが、軍用地の不動産所得には「専従者給与」や「青色申告特別控除(最大65万円)」などの青色申告の特典を活用して、毎年の税負担を大幅に抑える節税対策も存在します。きょうだいで共有名義にするのか、代表者1人が相続するのかによっても税負担が変わるため、事前の話し合いが重要です。

4. まとめ:親族で話し合う前に、まずは「ウチの軍用地の時価」を調べよう


軍用地の相続は、税制面で非常に優遇されている反面、独自の取引慣習(倍率)や大昔の契約書の有無など、専門的な知識がないと「損な遺産分割」をしてしまうリスクがあります。特に2024年からスタートした相続登記(名義変更)の義務化もあり、放置しておくことは厳禁です。

旧盆やシーミー(清明祭)などで、きょうだいや親戚が集まって「この軍用地、どうする?」というお話し合いをする前に、まずは不動産会社に依頼して「最新の倍率を掛け合わせると、今一体いくら(時価)で売れるのか」の査定書を用意しておきましょう。

「相続税評価額」と「実際の売却可能額」の2つの数字が明確になって初めて、全員が納得できる賢い選択(保有し続けるか、今高く売って分けるか)ができるようになります。

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